沖ななも「財布おまえもか」財布は毒婦のように去ることなく

短歌は日常に厚みを持たせる 去るものは追わずさりとてボールペン ケータイ 眼鏡 財布おまえもか(沖ななも) 北冬舎『白湯』(何事もなき)より この一首は、わたくし式守に、沖ななもの最高傑作ではない。また、いわゆる秀歌タイ … 沖ななも「財布おまえもか」財布は毒婦のように去ることなく
記事表示件数:175件

短歌は日常に厚みを持たせる 去るものは追わずさりとてボールペン ケータイ 眼鏡 財布おまえもか(沖ななも) 北冬舎『白湯』(何事もなき)より この一首は、わたくし式守に、沖ななもの最高傑作ではない。また、いわゆる秀歌タイ … 沖ななも「財布おまえもか」財布は毒婦のように去ることなく

短歌は安易なところに美を生まない 菜のはなを挿してくれけり如月のさむきゆふべのまなかひ明る(坪野哲久) 邑書林『留花門』(靑圃)より わたくし式守はただ、この一首の、余すところのない凛冽の気に搏たれて、坪野哲久の「まなか … 坪野哲久「菜のはなを挿してくれけり」消滅してなお永遠の美

その短歌の<わたし>を時を超えて愛しむ 新しき世紀ちかづく一日を死にとなりしてすわる礎石に(高松秀明) 角川書店『五十鈴響(いすずなり)』(一 滋賀山寺・近江の宮居)より 淡々とした調べである。が、一読して読み捨てられ … 高松秀明「死にとなりしてすわる」短歌は祈りのための発明品

生きている内と外との呼応 少年と少女の声に高低のわずかにありてわが前後ゆく(三井修) 角川学芸出版『海図』(筑波嶺)より 一読して清爽の気に搏たれた。 「少年と少女」が前方をこっちに歩いてくるのか、あるいは、背後から抜か … 三井修「少年と少女の声に」伸縮自在の<わたし>外延である

ころがる石を詩として拾う 夕暮れに子らが蹴りたる石けりの石わが影のなかをころがる(糸川雅子) 砂子屋書房『糸川雅子歌集』/『水蛍』(日記)より たとえば、歩道を歩いていて、誰かが足でちょっとどかした空き缶がころがる音がき … 糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

迷惑電話に腹が立っただけの話なのに 勧誘の電話この日の三度目を下ろしてひとり怒りつぶやく(橋本喜典) 本阿弥書店『歌壇』2017.2月号「天地」より 迷惑電話が腹立たしい。要は、そういう内容だ。それだけだ、とも言える。そ … 橋本喜典「この日の三度目を」結句をいかに魅力的にするか
関連するカテゴリー
おすすめの歌集 コラム「おすすめの一首」の人気記事