鈴木美紀子『金魚を逃がす』どうする/そして人生にしおり紐
短歌を退屈にしない金魚 病室の花瓶の水を替えるとき金魚を逃してしまった気がして(鈴木美紀子) コールサック社『金魚を逃がす』(金魚を逃がす)より 「病室の花瓶の水を替える」場面で、<わたし>は、金魚を惜しんでおいでなので … 鈴木美紀子『金魚を逃がす』どうする/そして人生にしおり紐
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短歌を退屈にしない金魚 病室の花瓶の水を替えるとき金魚を逃してしまった気がして(鈴木美紀子) コールサック社『金魚を逃がす』(金魚を逃がす)より 「病室の花瓶の水を替える」場面で、<わたし>は、金魚を惜しんでおいでなので … 鈴木美紀子『金魚を逃がす』どうする/そして人生にしおり紐
たとえばクリスマスはこう詠まれた 樅の木の線対象のいくつかを収めた冬のカメラを磨く(服部真里子) 本阿弥書店『行け広野へと』(冬のカメラ)より 「樅の木」を「冬のカメラ」が。ああ、これは、クリスマス会の記念写真か。 クリ … 服部真里子『行け広野へと』最も価値ある瞬間を表現する手法
「われもまた」の「また」 われもまた群れたる鰯 夕暮れのハチ公前の交差点ゆく(森山良太) ぶどうの木出版『西天流離』(AUTO REVERSE)より <わたし>は一人でいられなかった。 ハチ公前とは、ここに恵みでもあるの … 森山良太『西天流離』群れたる鰯/雨に咲きたる緋寒桜の花は
決意 星おちてさやかなる音聞きし夜のわれはひそかに鎖骨を守る(中畑智江) 書肆侃侃房『同じ白さで雪は降りくる』(ナナメノキ)より 星おちて どこかに「星おちて」ではあるまい。今ここに流星を見た。流星と言っても、それは、泣 … 中畑智江『同じ白さで雪は降りくる』人生に雪の白さが新しく
待合室 いまは亡き病人(やまうど)描きしやまぶきの黄(きい)は咲き継ぐ待合室に(長嶺元久) 本阿弥書店『百通り』(むらぎもの)より <わたし>=長嶺元久は、医師である。このような医院の医師である。その人生に、このような医 … 長嶺元久『百通り』世界は愚かしくないことを信じられる人生
なぜ自己否定を必要とする みづからを否定したくて否定するこの明るさの中なる二月(阪森郁代) 角川書店『ナイルブルー』(蜜にもならむ)より わざわざ否定することもない現在に、ここで、否定すべきところを探してみたのか。 否定 … 阪森郁代『ナイルブルー』生きるも死ぬも水の力がそこにある
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