長嶺元久

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長嶺元久『百通り』世界は愚かしくないことを信じられる人生

待合室 いまは亡き病人(やまうど)描きしやまぶきの黄(きい)は咲き継ぐ待合室に(長嶺元久) 本阿弥書店『百通り』(むらぎもの)より <わたし>=長嶺元久は、医師である。このような医院の医師である。その人生に、このような医 長嶺元久『百通り』世界は愚かしくないことを信じられる人生

長嶺元久「以下が空白」カルテの空白に人の愛情の波紋を呼ぶ

纏綿たる情理 赤き字に「死亡」とわれが記したるカルテは以下が空白となる(長嶺元久) 本阿弥書店『百通り』(むらぎもの)より わたしに「死亡」した母がある。しかし、子のわたしに、現在は、「空白」ではない。わが地上は、「死亡 長嶺元久「以下が空白」カルテの空白に人の愛情の波紋を呼ぶ

長嶺元久「四十年間務めたるけふも」一人生をかけて咲いた花

過ぎた日々が短歌で試される 内科医を四十年間務めたるけふも読みをり『風邪の診かた』を(長嶺元久) 本阿弥書店『歌壇』2016.1月号「ドラえもんのポケット」より この連作「ドラえもんのポケット」は、歌集『百通り』(本阿弥 長嶺元久「四十年間務めたるけふも」一人生をかけて咲いた花