鈴木美紀子

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鈴木美紀子の短歌の「結晶」/殺意か純潔か/無呼吸症候群に NEW!

1 息をしているのかどうかたしかめるたびにこわしてしまう結晶(鈴木美紀子) コールサック社『金魚を逃がす』(結晶)より 2 わたしは、別の記事で、鈴木美紀子の次の一首を挙げた。(この一首のための記事ではなったが) ほんと 鈴木美紀子の短歌の「結晶」/殺意か純潔か/無呼吸症候群に

鈴木美紀子『金魚を逃がす』どうする/そして人生にしおり紐

短歌を退屈にしない金魚 病室の花瓶の水を替えるとき金魚を逃してしまった気がして(鈴木美紀子) コールサック社『金魚を逃がす』(金魚を逃がす)より 「病室の花瓶の水を替える」場面で、<わたし>は、金魚を惜しんでおいでなので 鈴木美紀子『金魚を逃がす』どうする/そして人生にしおり紐

短歌は抑圧されたドッペルゲンガーの<わたし>を生み出すか

1 20代後半だった。東京の私鉄の某駅で降りるときに、ホームから乗り込む人は、わたしと姿形が同じだった。お互いに驚愕の顔を見せ合った。そっくりだったことはたしかだが、もはや同一人物だったのかどうか、そこまで観察するゆとり 短歌は抑圧されたドッペルゲンガーの<わたし>を生み出すか

短歌の読み方に『ノルウェイの森』で生まれた読み方は可能か

1 ハルキストではないが、村上春樹の『ノルウェイの森』は、いくたりと読み返した。嘘というものは何か、都度、深く考えさせられる。 だからと言って、『ノルウェイの森』は、嘘がテーマの小説ではない。また、嘘を動力として、物語を 短歌の読み方に『ノルウェイの森』で生まれた読み方は可能か

鈴木美紀子『風のアンダースタディ』「非常口」水をとどめる

劇的な非常口の扉 海までの道を誰かに訊かれたらあの非常口を指し示すだけ(鈴木美紀子) 書肆侃侃房(新鋭短歌シリーズ)『風のアンダースタディ』(風のバラード)より この世界は、まず自分という個人がいて、この個人をめぐって環 鈴木美紀子『風のアンダースタディ』「非常口」水をとどめる

鈴木美紀子「トィンクル」短歌なんてやめておけばよかったか

まずこの短歌を トィンクル、トィンクル、って星空にアフレコしていたお通夜の帰り(鈴木美紀子) KADOKAWA『短歌ください(双子でも片方は泣く夜もあ篇)』テーマ・きらきらより この一首は、コールサック社『金魚を逃がす』 鈴木美紀子「トィンクル」短歌なんてやめておけばよかったか