三井修

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三井修『海図』この世界の外に海を見つけられる旅人になった

三井修は旅人だった アンケートに記入し終えて職業欄<旅人>と記す夏の銀座で(三井修) 角川学芸出版『海図』(地磁気)より 人並の常識があれば、羞恥心が枷となって、「職業欄」に「旅人」なんて記入できるもんじゃない。 まさか 三井修『海図』この世界の外に海を見つけられる旅人になった

三井修「少年と少女の声に」伸縮自在の<わたし>外延である

生きている内と外との呼応 少年と少女の声に高低のわずかにありてわが前後ゆく(三井修) 角川学芸出版『海図』(筑波嶺)より 一読して清爽の気に搏たれた。 「少年と少女」が前方をこっちに歩いてくるのか、あるいは、背後から抜か 三井修「少年と少女の声に」伸縮自在の<わたし>外延である

三井修「最後の一粒」大好きな一首を何度も書き写してみると

この短歌を書き写すぞ ドロップの缶を逆さに振りて出す最後の一粒薄荷味なり(三井修) 角川学芸出版『海図』(新玉葱)より ついに最後の一粒。薄荷味だ。 生きるにおいて忘れてはいけないものがある。言い過ぎか。言い過ぎじゃない 三井修「最後の一粒」大好きな一首を何度も書き写してみると

三井修「明日の予定はみなばかばかし」なるほどこれが短歌か

短歌には短歌の作り方があるらしい 正座して夕陽見ている犬のいて明日の予定はみなばかばかし(三井修) 角川学芸出版『海図』(バーボン)より 何回読んでもおもしろいなあ。 三井修の歌が好きである。 天を仰ぎたくなる歌が他にも 三井修「明日の予定はみなばかばかし」なるほどこれが短歌か