加藤正明

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糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

ころがる石を詩として拾う 夕暮れに子らが蹴りたる石けりの石わが影のなかをころがる(糸川雅子) 砂子屋書房『糸川雅子歌集』/『水蛍』(日記)より たとえば、歩道を歩いていて、誰かが足でちょっとどかした空き缶がころがる音がき 糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

加藤正明「草のそよぐ音」見える人にしか見えないものがある

そこは廃墟よりさびしい風が吹いていて 赤錆びてドラム罐一つ置かれあり空地は草のそよぐ音して(加藤正明) 第3回(1957年)角川短歌賞「草のある空地」より <「音」と「空」は異体字> 角川短歌賞の第3回受賞作品から引きま 加藤正明「草のそよぐ音」見える人にしか見えないものがある

加藤正明「今日新入りの臨時工」すぐれた短歌の活眼がある

その短歌を読み手を信じてさしだす 指二本昨日奪ひしプレスの前今日新入りの臨時工が坐る(加藤正明) 第3回(1957年)角川短歌賞「草のある空地」より <「前」と「空」は異体字> 角川短歌賞の第3回受賞作品から引きました 加藤正明「今日新入りの臨時工」すぐれた短歌の活眼がある