竹山広

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竹山広「がんばつて食ふ」健全と不健全が美しくせめぎあう歌

短歌に健全と不健全が境を極めている 三十五度の厨にて妻が作りたる一皿一皿がんばつて食ふ(竹山広) 柊書房『遐年』(夏日日)より どこにもそうと書かれていないが、<わたし>は、あまり食べられないのだろう。それに、かなり暑そ 竹山広「がんばつて食ふ」健全と不健全が美しくせめぎあう歌

糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

ころがる石を詩として拾う 夕暮れに子らが蹴りたる石けりの石わが影のなかをころがる(糸川雅子) 砂子屋書房『糸川雅子歌集』/『水蛍』(日記)より たとえば、歩道を歩いていて、誰かが足でちょっとどかした空き缶がころがる音がき 糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

竹山広「机にしんと人はをりたり」すでに完成しているのかも

短歌の神秘性と交感する 「夕焼け」といふ古書店の奥ふかき机にしんと人はをりたり(竹山広) 柊書房『遐年』(夏至前後)より ブックオフにいると「いらっしゃませ」の谺がある。ブックオフが舞台で「人はをりたり」としても、詩には 竹山広「机にしんと人はをりたり」すでに完成しているのかも

竹山広「にんげんも危険ですね」おもしろい話を詩にできる

短歌には音楽性が必須らしい にんげんも危険ですねといま妻が電話に語りゐるのは誰か(竹山広) 柊書房『遐年』(ああ極楽)より おもしろい……。 「危険」て何よ。「誰」よ。「にんげんも」の「も」も何だかおかしい。 そして、こ 竹山広「にんげんも危険ですね」おもしろい話を詩にできる