武藤雅治

記事表示件数:4件

武藤雅治「女が一人御神籤をひく」おれも生きねばとなる短歌

強く生きているように見える あきらかに四十歳(しじふ)半ばを過ぎてゐる女が一人御神籤(おみくじ)をひく(武藤雅治) 六花書林『鶫』(なめくぢら式)より このような短歌に、わたくし式守は、偏愛してしまうところがある。 ほし 武藤雅治「女が一人御神籤をひく」おれも生きねばとなる短歌

糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

ころがる石を詩として拾う 夕暮れに子らが蹴りたる石けりの石わが影のなかをころがる(糸川雅子) 砂子屋書房『糸川雅子歌集』/『水蛍』(日記)より たとえば、歩道を歩いていて、誰かが足でちょっとどかした空き缶がころがる音がき 糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

武藤雅治『鶫』人間の美質を求めるこころを途切らせない人生

日常に無邪気な顔を見せること 六花書林『鶫』は、とことん私生活でしかない。 その私生活に、しかし、人は、人生的なテストを折々受けざるを得ないことが描かれていて、わたくし式守は、そこに、なにか敬虔なおもいを持った。 飽きる 武藤雅治『鶫』人間の美質を求めるこころを途切らせない人生

武藤雅治「仙人掌の花」一首内に階層というものがあるらしい

短歌にそれをどう階層化するかがたいせつらしい 身を捨つることなどつひにあらざらむ終の棲家の仙人掌の花(武藤雅治) 六花書林『鶫』(こんなところに)より 一生をここで暮らす家に仙人掌。そこに咲く花。なるほど。「仙人掌の花」 武藤雅治「仙人掌の花」一首内に階層というものがあるらしい