鳥居「野菜の匂いの雨」そんなところに不滅の愛があったこと

その前後の物語を必要としない愛 寝そべって算数ドリル解く午後に野菜の匂いの雨が降り出す(鳥居) KADOKAWA『キリンの子』鳥居歌集(家はくずれた)より 恵まれた人生などそうそうあるものではないが、「家はくずれ」るまで … 鳥居「野菜の匂いの雨」そんなところに不滅の愛があったこと
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その前後の物語を必要としない愛 寝そべって算数ドリル解く午後に野菜の匂いの雨が降り出す(鳥居) KADOKAWA『キリンの子』鳥居歌集(家はくずれた)より 恵まれた人生などそうそうあるものではないが、「家はくずれ」るまで … 鳥居「野菜の匂いの雨」そんなところに不滅の愛があったこと

受苦が愛へと 肉色の義肢見ればまだ幸せな吾なりコルセット修理待つ間を(安藤あきよ) 「未来」昭和33年8月号より これは、六法出版社の歌集『灯台の灯』の跋(「灯台の灯」に寄せて)に紹介された一首である。今西久穂氏の手によ … 安藤あきよ「まだ幸せな吾なり」病の人に元気を与えられる

短歌はそこにある人生を共有できる いづくかに傷をかくしてゐるやうに研磨の石の悲鳴をあぐる(香山ゆき江) ながらみ書房『水も匂はぬ』(石けづる音)より 短歌の話だけでもなかろうが、比喩は、思いがけないものを思いついた、その … 香山ゆき江「悲鳴をあぐる」一字一音が声をあげて泣いている

短歌はそれを見慣れたものにしない 林間に基部(きぶ)をもちたる鉄塔が春雲のそらにつきささりをり(小池光) 本阿弥書店『歌壇』2017.5月号「春の雲の下」より ただの鉄塔である。ところが、ただの鉄塔じゃなくなることがある … 小池光「鉄塔が春雲のそらに」短歌は真理を明るみにできる

隠された傷を背に ファスナーをまっすぐおろす直線の傷のごときを背に描くため(松平盟子) 河出書房新社『たまゆら草紙』(マリアージュ)より 苦悩なんてものの、そのほとんどは、これを、いったんはすでに味わっているものだ。たっ … 松平盟子「直線の傷のごときを背に描く」されど明眸を前方に

短歌の神秘性と交感する 「夕焼け」といふ古書店の奥ふかき机にしんと人はをりたり(竹山広) 柊書房『遐年』(夏至前後)より ブックオフにいると「いらっしゃませ」の谺がある。ブックオフが舞台で「人はをりたり」としても、詩には … 竹山広「机にしんと人はをりたり」すでに完成しているのかも
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