安藤あきよ

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短歌で蘇る人が/会いたや/人間の死んだ部分を減らすこと

1 圧測る白衣の少女の素直さがゼミ学生の顔に重なる(安藤あきよ) 六法出版社『灯台の灯』(伊吹嶺)より こんな指導者の存在を知ると、わたしは、人間であることにうれしくなれる。 2 「うれしくなれる」とは、次の「うれしい」 短歌で蘇る人が/会いたや/人間の死んだ部分を減らすこと

安藤あきよ「まだ幸せな吾なり」病の人に元気を与えられる

受苦が愛へと 肉色の義肢見ればまだ幸せな吾なりコルセット修理待つ間を(安藤あきよ) 「未来」昭和33年8月号より これは、六法出版社の歌集『灯台の灯』の跋(「灯台の灯」に寄せて)に紹介された一首である。今西久穂氏の手によ 安藤あきよ「まだ幸せな吾なり」病の人に元気を与えられる

安藤あきよ『灯台の灯』病苦に束縛されてなおのびやかな生命

歌人がこれまで歩んできた道 この国の自然主義文学に、わたしは、いつからか否定的になった。若い時分はよく読んだのである。が、日々の仕事に追われる過程で、わたしに、その魅力は失せた。 無数の人影がゆらゆらとわたしの人生を染め 安藤あきよ『灯台の灯』病苦に束縛されてなおのびやかな生命