三ヶ島葭子「部屋あかるくも」孤独の女性の感情を支える語彙

短歌に豊富な感情と平凡な語彙は両立可能 障子張り部屋あかるくもなりにけりひとりすわるもいつもの所に(三ヶ島葭子) 創元社『三ヶ島葭子歌集』大正九年/秋雨より 何なんだ。目に袖口をあてたくなるこの光景って。下句が、わたしの … 三ヶ島葭子「部屋あかるくも」孤独の女性の感情を支える語彙
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短歌に豊富な感情と平凡な語彙は両立可能 障子張り部屋あかるくもなりにけりひとりすわるもいつもの所に(三ヶ島葭子) 創元社『三ヶ島葭子歌集』大正九年/秋雨より 何なんだ。目に袖口をあてたくなるこの光景って。下句が、わたしの … 三ヶ島葭子「部屋あかるくも」孤独の女性の感情を支える語彙

短歌はいのちの触角があるのか この道の石に一つづつ消えてゆく儚きいのち鳥のこゑして(前川佐美雄) 短歌新聞社『捜神』(野極(神の如き火))より 「この道の石」を見ているとサッと鳥の影がさす。一羽や二羽ではないようだ。鳥の … 前川佐美雄「一つづつ消えてゆく」いのちを人に教えられるか

その短歌を読み手を信じてさしだす 指二本昨日奪ひしプレスの前今日新入りの臨時工が坐る(加藤正明) 第3回(1957年)角川短歌賞「草のある空地」より <「前」と「空」は異体字> 角川短歌賞の第3回受賞作品から引きました … 加藤正明「今日新入りの臨時工」すぐれた短歌の活眼がある

自分はすでに短歌に収まっているのか かへり路の旅の終りのひとときを眠りをはりて地図をたたみぬ(長沢美津) 新星書房『車』(帰路)より 昏迷な埃の世界へ戻る境目の、完璧な抒情詩を、わたしは、この一首に得た気がした。 珍しく … 長沢美津「地図をたたみぬ」短歌の定型に元々自分はいること

短歌で他人と紙一枚の差がある人間を映す 花の名を知らざるままにたのしむは礼を欠くかと図鑑にさぐる(橋本喜典) 本阿弥書店『歌壇』2016.2月号「どこからでも来い」より その花の名前を憶えてあげなくては、と思ったのである … 橋本喜典「礼を欠くかと」平凡な言葉で人の日常が剥がされる

その上空でリラックスして短歌が感知される 円を描きまつたき円の生(あ)れざるをたのしむ円の無限のかたち(坪野哲久) タイガー・プロ『碧巖』(律五章(落首))より なかなかまんまるに描けない。一つとして同じ円がない。たのし … 坪野哲久「円の無限のかたち」たのしんだから言葉は生まれた
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