おすすめの一首

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まことにおすすめ

一記事に一首だけ載せているとは限りません。連作単位で、そこにある短歌をすべて引いているものもあります。いずれも愛しぬける短歌です。ここをこうおさえるといい短歌ができる、歌作上の発見を記録しているものもあります。

長沢美津「あともどりして真上より」偶然に支配された一瞬に

それは人生に失望していたところに 水の底にしづみてゆきし池の鯉をあともどりして真上よりみる(長沢美津) 新星書房『車』(こよみ)より もうすこし眺めたかったんだろうなあ。悔いないように。で、「あともどりし」た、と。 でも 長沢美津「あともどりして真上より」偶然に支配された一瞬に

加藤正明「草のそよぐ音」見える人にしか見えないものがある

そこは廃墟よりさびしい風が吹いていて 赤錆びてドラム罐一つ置かれあり空地は草のそよぐ音して(加藤正明) 第3回(1957年)角川短歌賞「草のある空地」より <「音」と「空」は異体字> 角川短歌賞の第3回受賞作品から引きま 加藤正明「草のそよぐ音」見える人にしか見えないものがある

千葉聡『そこにある光と傷と忘れもの』小さなつぼみがついた

いずれ大輪の花は咲くのだろうか 海外の学園ドラマの教師なら廊下で恋の話もするのに(千葉聡) 風媒社『そこにある光と傷と忘れもの』(これからの日々)より いい教師とはどんな教師だろう。「廊下で恋の話」なんかに関わらないのも 千葉聡『そこにある光と傷と忘れもの』小さなつぼみがついた

三ヶ島葭子「明日ものぼらむ」のこりの人生を切なく短歌へと

のこされた人生を短歌にとどめる たまたまに來たりし吾子が埽除して敷きかへし床に晝寢をするも(三ケ島葭子) 創元社『三ヶ島葭子歌集』(大正十四年/をりをりの歌・その五)より どうしてこう一言で説明のつかない感情と表情が時を 三ヶ島葭子「明日ものぼらむ」のこりの人生を切なく短歌へと

坪野哲久「蝶のつばさ」生命を見つめて美しい幻想が生まれた

短歌は身をめぐる世界を新しくできるのか うつくしきものにやすらふ蝶のつばささだめなき生(よ)のいのりのごとし(坪野哲久) 邑書林『留花門』(染慧抄)より 短歌をじぶんもつくりたい、となって、わたしは、自己検証を強いられた 坪野哲久「蝶のつばさ」生命を見つめて美しい幻想が生まれた

高松秀明「花売るはさびしかるらし」悲運の人と泣いている詩

<わたし>が無力である哀切 花売るはさびしかるらしふるさとの花売る女(ひと)は頬かむりする(高松秀明) 角川書店『五十鈴響(いすずなり)』(道の駅 2)より 「花売る」とは、春をひさぐの符牒であろう。可憐な乙女がほんとう 高松秀明「花売るはさびしかるらし」悲運の人と泣いている詩

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