花山周子『風とマルス』偉大な芸術家は社会の扉の鍵を持てる
うさぎと暮らす芸術家 ぎっしりと雨降る窓に畳まれた時間だわれは正座している(花山周子) 青磁社『風とマルス』(正座)より この先に計り知れない物語が待っている幕開けのようだ。 「正座している」この「われ」の姿は、この歌集 … 花山周子『風とマルス』偉大な芸術家は社会の扉の鍵を持てる
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うさぎと暮らす芸術家 ぎっしりと雨降る窓に畳まれた時間だわれは正座している(花山周子) 青磁社『風とマルス』(正座)より この先に計り知れない物語が待っている幕開けのようだ。 「正座している」この「われ」の姿は、この歌集 … 花山周子『風とマルス』偉大な芸術家は社会の扉の鍵を持てる
劇的な非常口の扉 海までの道を誰かに訊かれたらあの非常口を指し示すだけ(鈴木美紀子) 書肆侃侃房(新鋭短歌シリーズ)『風のアンダースタディ』(風のバラード)より この世界は、まず自分という個人がいて、この個人をめぐって環 … 鈴木美紀子『風のアンダースタディ』「非常口」水をとどめる
これだけの存在感の理由 風を遮るものとてなく丘のうへ吹きつさらしに花はし傾ぐ(川崎あんな) 砂子屋書房『あんなろいど』(ふらくたる)より <「遮」は旧字> 吹きつのる風にシャツがふくらんでふるえている姿が目に見えるようだ … 川崎あんな『あんなろいど』美しい一刀三礼の精神で造形する
短歌の角度 一心にミルクを注ぐ幸いよ永遠はその静けき角度(松村由利子) 短歌研究社『大女伝説』(真珠考)より これはフェルメールの『牛乳を注ぐ女』だろうか。 次の二首にはさまれている。 フェルメールの女は真珠「健康」とい … 松村由利子『大女伝説』「角度」永遠は角度によって決まる
生きていることを告げてくれる短歌 假寢よりさめたる部屋にたましひの寄りてとまらむ枝さへもなし(岡山巖) 長谷川書房『遭遇』(心理のみだれ)より 相見ている以上の視線に感謝できる関係がある。たしかな体温をもったその視線は、 … 岡山巖『遭遇』時空を超えて現代に届くそれは単純に激励の声
計測できない距離が短歌に 誰かが一方の誰かに言っている、その気持ちを、詳しく説明していないのに感得できることがある。でも、その感得は、当たり外れで言えば、外れなこともある。外れでもいいのである。 (いや外れはやっぱりだめ … 鈴木晴香『夜にあやまってくれ』二人の愛を確かめ合う距離
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