おすすめの一首

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まことにおすすめ

一記事に一首だけ載せているとは限りません。連作単位で、そこにある短歌をすべて引いているものもあります。いずれも愛しぬける短歌です。ここをこうおさえるといい短歌ができる、歌作上の発見を記録しているものもあります。

小島ゆかり「もう似合はない」人一人のいのちがそよぐ音色

人生に反射して生まれる色 杳(とほ)い杳いかのゆふぐれのにほひしてもう似合はない菫色のスカーフ(小島ゆかり) 青磁社シリーズ・牧水賞の歌人たち『小島ゆかり』代表歌三〇〇首・大松達知選 『水陽炎』35首より 若いからだがあ 小島ゆかり「もう似合はない」人一人のいのちがそよぐ音色

井上正一「ブロマイドはりめぐらせて」深い悔いを包む小宇宙

去りゆく父と永く病む少年 ブロマイドはりめぐらせてわが父と同室の少年は永く胸病む(井上正一) 第8回(1962年)角川短歌賞「冬の稜線」より こんな短歌に弱い。 切り取られた場面の奥行き。病室は、人々の、患者への複雑な思 井上正一「ブロマイドはりめぐらせて」深い悔いを包む小宇宙

武藤雅治「女が一人御神籤をひく」おれも生きねばとなる短歌

強く生きているように見える あきらかに四十歳(しじふ)半ばを過ぎてゐる女が一人御神籤(おみくじ)をひく(武藤雅治) 六花書林『鶫』(なめくぢら式)より このような短歌に、わたくし式守は、偏愛してしまうところがある。 ほし 武藤雅治「女が一人御神籤をひく」おれも生きねばとなる短歌

三ヶ島葭子「わが顏に手拭が」まことにやさしい人がいること

うちのめされるようなやさしさが短歌に 妹は障子はたけりわが顏に手拭が被(かぶ)されてありし(三ヶ島葭子) 創元社『三ヶ島葭子歌集』(大正十五年/をりをりの歌・その六)より<「障」は旧字(以下同)> この連作の1首目はこう 三ヶ島葭子「わが顏に手拭が」まことにやさしい人がいること

中島行矢「人生が二度あらば」なるほどそれはあってはならぬ

人生が二度あらばこの人生は何なの 人生が二度あらば嗚呼そのようなかなしいことがあってはならぬ(中島行矢) 本阿弥書店『歌壇』2016.8月号『モーリタリアの蛸』(本阿弥書店)<第13回筑紫歌壇賞>伊藤一彦抄出より 人生が 中島行矢「人生が二度あらば」なるほどそれはあってはならぬ

竹山広「がんばつて食ふ」健全と不健全が美しくせめぎあう歌

短歌に健全と不健全が境を極めている 三十五度の厨にて妻が作りたる一皿一皿がんばつて食ふ(竹山広) 柊書房『遐年』(夏日日)より どこにもそうと書かれていないが、<わたし>は、あまり食べられないのだろう。それに、かなり暑そ 竹山広「がんばつて食ふ」健全と不健全が美しくせめぎあう歌

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