田口綾子『かざぐるま』このままではいられない青春の美しさ
独立心 洗はずに持ち帰る服ちちははの晩年に食ひこみすぎぬやう(田口綾子) 短歌研究社『かざぐるま』(ただいま)より この判断の、いかにも聡明なあり方が、わたしを、『かざぐるま』の<わたし>から目を離せなくする。  … 田口綾子『かざぐるま』このままではいられない青春の美しさ
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独立心 洗はずに持ち帰る服ちちははの晩年に食ひこみすぎぬやう(田口綾子) 短歌研究社『かざぐるま』(ただいま)より この判断の、いかにも聡明なあり方が、わたしを、『かざぐるま』の<わたし>から目を離せなくする。  … 田口綾子『かざぐるま』このままではいられない青春の美しさ
孤独 忽ちに遁(のが)しし幸よ用のなくなりしリキュールグラスを磨く(大西民子) 短歌新聞社『石の舟』大西民子歌集「まぼろしの椅子」抄(寂しき電話)より 夫が去ってしまったようだ。 「リキュールグラス」に、それも、「リキュ … 大西民子『石の船』木蓮の花一輪を辛く悲しい人生に拾うこと
女御 「女御」の読み問へば「おなご」と答へゐて一枚めくればそこには「あねご」(田口綾子) 短歌研究社『かざぐるま』(ぬねり)より 田口綾子の『かざぐるま』に、うすらバカな男子が、ちょいちょい登場する。<わたし>は、高校の … 田口綾子『かざぐるま』女性非常勤講師と男子生徒の精神年齢
歓声をあげて おおーという歓声あげて走り過ぐオレンジ色のトンネルの中(大崎安代) 短歌研究社『象を飼う家』(一泊千円)より 目に浮かぶ。音響も耳に聴こえてくるようである。 <わたし>は、トンネルの中で、こうもたのしんでし … 大崎安代『象を飼う家』人間であることにうれしくなれる歌集
三井修は旅人だった アンケートに記入し終えて職業欄<旅人>と記す夏の銀座で(三井修) 角川学芸出版『海図』(地磁気)より 人並の常識があれば、羞恥心が枷となって、「職業欄」に「旅人」なんて記入できるもんじゃない。 まさか … 三井修『海図』この世界の外に海を見つけられる旅人になった
よるべなき身に 捨てられし捨てし幾たびその果てのよるべなき身にパンツをたたむ(中島行矢) 本阿弥書店『母樹』(千歳船橋)より ひとりみであられるごようすである。 「パンツ」が捨てられたこと、「パンツ」を捨てたこと、数なく … 中島行矢『母樹』十方無碍の愛に立って過去と未来を包摂する
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