大崎安代

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大崎安代『象を飼う家』人間であることにうれしくなれる歌集

歓声をあげて おおーという歓声あげて走り過ぐオレンジ色のトンネルの中(大崎安代) 短歌研究社『象を飼う家』(一泊千円)より 目に浮かぶ。音響も耳に聴こえてくるようである。 <わたし>は、トンネルの中で、こうもたのしんでし 大崎安代『象を飼う家』人間であることにうれしくなれる歌集

大崎安代「子の首に手を」愛するわが子の首に幸福の裂け目が

怖い 背後より子の首に手をかけてみる温かき肉の怖い感触(大崎安代) 短歌研究社『象を飼う家』(格安)より アタリマエであるが、子の首をしめようとした、とは詠んでいない。 しかし、「子の首」を「温かき肉」とする「温かき」が 大崎安代「子の首に手を」愛するわが子の首に幸福の裂け目が

大崎安代「イライラせずに信号を」偉大なる明るさとウィット

主人公<わたし>が魅力的な短歌 満月の暑くも寒くもない夜はイライラせずに信号を待つ(大崎安代) 本阿弥書店『歌壇』2017.4月号「宇宙への旅」より つまらない理屈をつけるようで気がさすが、「信号を待つ」のに、ふだんは、 大崎安代「イライラせずに信号を」偉大なる明るさとウィット