馬場あき子

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大滝和子の短歌/男女は互いに反意語である/時間の単位は月

1 反意語を持たないもののあかるさに満ちて時計は音たてており(大滝和子) この一首の「反意語を持たないもの」を、わたくし式守は、どうしても女性としか読めない。つまり、女性の「あかるさに満ちて」時は進んでいる、と。 よって 大滝和子の短歌/男女は互いに反意語である/時間の単位は月

穂村弘『短歌のガチャポン』穂村弘の宿命/あとがきの美しさ

1 小学館の穂村弘『短歌のガチャポン』は、紹介されている作品がどれもたのしく、順々に、するするするっと心地よく頭に収められた。 氏は他にも類書があるが、今回の『短歌のガチャポン』は、その「あとがき」で、穂村弘にこれまでう 穂村弘『短歌のガチャポン』穂村弘の宿命/あとがきの美しさ

大滝和子「殴られる」「生理はじまる」人生に飲み込まれない

大滝和子にわたしはこれが衝撃だった 12歳、夏、殴られる、人類の歴史のように生理はじまる(大滝和子) 東京堂出版『現代短歌の鑑賞事典』馬場あき子【監修】大滝和子・<秀歌選>(『人類のヴァイオリン』平12)より この『人類 大滝和子「殴られる」「生理はじまる」人生に飲み込まれない

遠山光栄「我にふれじと磨く」繊細はこれを試練に生き続けた

短歌で人間が先に砕けることを ひたむきに鏡をみがく底ごころ得堪えぬ我にふれじと磨く(遠山光栄) 東京堂出版『現代短歌の鑑賞事典』馬場あき子【監修】 遠山光栄・<秀歌選>(『杉生』昭和18)より 胸のうちに慰めの言葉を探さ 遠山光栄「我にふれじと磨く」繊細はこれを試練に生き続けた

雨宮雅子「百日紅は咲き盛り」いかなる時も志を展べようと

緊迫した時間が経過する短歌 しんしんと百日紅は咲き盛り夏のまなかにとほき夏あり(雨宮雅子) 東京堂出版『現代短歌の鑑賞事典』馬場あき子【監修】 雨宮雅子・<秀歌選>(『悲神』昭55)より 天地を畏む人がいる。ほんとうにい 雨宮雅子「百日紅は咲き盛り」いかなる時も志を展べようと