おすすめの一首

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まことにおすすめ

一記事に一首だけ載せているとは限りません。連作単位で、そこにある短歌をすべて引いているものもあります。いずれも愛しぬける短歌です。ここをこうおさえるといい短歌ができる、歌作上の発見を記録しているものもあります。

佐伯裕子「純粋な手紙などなき」現代の世に平然とした情志

純粋な手紙 純粋な手紙などなき郵便の束を配るよ赤いバイクが(佐伯裕子) 本阿弥書店『歌壇』2017.11月号「可笑しな引力」より 「純粋な手紙」という修辞(おもしろい)は胃の腑にすとんと落ちるが、それが、(現代には)ない 佐伯裕子「純粋な手紙などなき」現代の世に平然とした情志

森藍火「重病説流れゐるらし」<わたし>という噂の主と現実

喜んでいいのか悲しんでいいのか 重病説流れゐるらしスーパーのバナナの前に声かけられる(森藍火) 本阿弥書店『歌壇』2016.9月号「信号無視」より あっけにとられるとはこのことか。心配してもらっていたことに、喜んでいいの 森藍火「重病説流れゐるらし」<わたし>という噂の主と現実

築地正子「名も知らずして」「あはれいたはる」独自の行路

名を知らずして 紫の花咲かせずばその草の名も知らずしてこの世過ぎけむ(築地正子) 河出書房新社『【同時代】としての女性短歌』「路」より ただの雑草だから「紫の花咲かせず」なのか。「紫の花咲かせ」る遺伝子はあるのに「咲かせ 築地正子「名も知らずして」「あはれいたはる」独自の行路

大橋恵美子「ザリガニをとる」宿題はむしろ親にドラマを生む

子の宿題は家全体を揺るがすように 一年生の「ザリガニをとる」宿題が一家の土日の予定を変える(大橋恵美子) 河出書房新社『【同時代】としての女性短歌』「ゆっくり疑問を」より 子の宿題が親の宿題にもなるらしい。 一年生では、 大橋恵美子「ザリガニをとる」宿題はむしろ親にドラマを生む

今野寿美「悪に少しも遠くなけれど」最高の文学作品として

枇杷に濡れる手 悪に少しも遠くなけれど悪なさぬ手はやすやすと枇杷に濡れゐる(今野寿美) 河出書房新社『【同時代】としての女性短歌』「されば若夏」より 順番を逆にして読んでみる。 手が枇杷に濡れています その手は悪をなさな 今野寿美「悪に少しも遠くなけれど」最高の文学作品として

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