古谷円「大根を抜きて揺らして」大根というハードボイルド

大根とセットの主婦のかっこよさ 大根を抜きて揺らして帰るとき息苦しかった昨日忘れる(古谷円) 本阿弥書店『百の手』(簡単な人)より どこをどう読んでも主婦であろう。主婦である、との直截な情報は、どこにもないが。 初句にた … 古谷円「大根を抜きて揺らして」大根というハードボイルド
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大根とセットの主婦のかっこよさ 大根を抜きて揺らして帰るとき息苦しかった昨日忘れる(古谷円) 本阿弥書店『百の手』(簡単な人)より どこをどう読んでも主婦であろう。主婦である、との直截な情報は、どこにもないが。 初句にた … 古谷円「大根を抜きて揺らして」大根というハードボイルド

短歌はこの人生を問う 書類袋持ちしまま会いに来し人がそれを抱きて帰りゆきたり(五十嵐順子) ながらみ書房『I miss you』(ルーペ)より これ、これ、こういうの。こういう短歌を、わたくし式守は、大好きなのである。 … 五十嵐順子「書類袋持ちしまま会いに来し人が」揺さぶる短歌

短歌にくるまれた素顔の偉大さ すさまじく生き凌ぎける四十年きみの素顔に涙したたる(坪野哲久) 不識書院『胡蝶夢』(白うつぎ)より 「すさまじく」の初句が、正に「すさまじ」い。 坪野哲久は、明治のお生まれである。 死体をま … 坪野哲久「きみの素顔に涙したたる」短歌の天質に加味する美

短歌は説明文ではないからである 冬物を出すたび一度はかぶりみる父の雪下ろし用目出し帽(五十嵐順子) ながらみ書房『Rain tree』(グレタ・ガルボみたい)より 短歌は説明文ではいけない。説明文では詩にならない。 その … 五十嵐順子「一度はかぶりみる」世界がそよぐは音色次第で

時の文化整理に耐えた 障子越しに霞ケ浦があるという夜の座敷に鰻丼を食べる(花山周子) 青磁社『風とマルス』(霞ケ浦)より 霞ヶ浦の実景を目にしてはいないのである。霞ヶ浦は、あくまで「障子越し」にある。されど、霞ヶ浦の存在 … 花山周子「障子越しに霞ケ浦」芸術家は瞬間移動ができるのか

人間は人間を死なせたくない ごめんなさいこの世は難儀なところにて嫌がる酸素マスクも当てる(五十嵐順子) 『詩客』「見るのみ」より 人間は、人間を、死なせるわけにいかない。このテーゼが、こうもわかりやすく腑に落ちた例を、わ … 五十嵐順子「嫌がる酸素マスクも当てる」何度でも歌える短歌
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