阪森郁代「流動体のやさしさ」その気になればこう生きられる

「轟音」と「はかなごと」 轟音に列車は過ぎてその後にはかなごとなど言ひ出す人も(阪森郁代) 本阿弥書店『歌壇』2017.4月号「夜のさざなみ」より なぜ「その後に」なのか。「轟音」があっては話が聞こえまいと、話が、いった … 阪森郁代「流動体のやさしさ」その気になればこう生きられる
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「轟音」と「はかなごと」 轟音に列車は過ぎてその後にはかなごとなど言ひ出す人も(阪森郁代) 本阿弥書店『歌壇』2017.4月号「夜のさざなみ」より なぜ「その後に」なのか。「轟音」があっては話が聞こえまいと、話が、いった … 阪森郁代「流動体のやさしさ」その気になればこう生きられる

音 着信の音づれを待つ良夜なり水脈曳きわたる月のこころに(春野りりん) 本阿弥書店『歌壇』2016.1月号「月天心」より まわりを見渡せば、このような「良夜」が、この世界にはあるのである。 「音づれ」の「音」は携帯か。夫 … 春野りりん「月のこころ」短歌の容積が大きくなる時間の堆積

人生の余白/青年 新聞を立ちて読みゐる青年と鳩と爽やかにありてかかはらず(岡山たづ子) 短歌新聞社『雪の香』「一直進」抄(飾窓)より その光景が頭に心地よく打ち込まれることがある。 この「青年」に「新聞」も「鳩」も、欠く … 岡山たづ子「吊橋の揺るる上にて」人生の余白に大きな存在が

緻密に語彙を手当てする 硝子目の熊は静かに幼子に針が刺さってゆくのを見てる(虫追篤) 『ダ・ヴィンチ』2022年1月号「短歌ください」第165回(穂村弘・選) 不気味な一首である。しかし、ここは、確かな現実世界である。 … 虫追篤「刺さってゆく」緻密に選ぶ語彙で不気味な世界を生む

それは美しいデザイン 日記よりも出納帳は明るくて薄桃色の線の平行(澤村斉美) 第52回(2006年)角川短歌賞「黙秘の庭」より わかる。このテンプレートを、わたしは、なんて美しいデザインだ、と思ってきたし、その思いは、今 … 澤村斉美「うすくなるのだ」いっそ爽快に時を失う理由は黙秘

たつた一つ咲いてくれたる たつた一つ咲いてくれたる紫陽花が手わたすやうに滴をこぼす(岡部由紀子) 本阿弥書店『歌壇』2015.9月号<第十二回筑紫歌壇賞受賞第一作二十首>「三年目」より このように作られた短歌を、わたしは … 岡部由紀子「たつた一つ咲いてくれたる」紫陽花の個の美しさ
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