大松達知

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大松達知の「娘」/短歌における子のない読者と主演の子ども

1 わたしには子がない。 マンションの清掃作業員である。子どもをかわいがるのは、そこでの仕事に限られるが、わが子ではないアタリマエを痛感することしきりである。 2 若いご夫婦がよく入居するマンションである。仕事としてその 大松達知の「娘」/短歌における子のない読者と主演の子ども

小島ゆかり「ここへおいで」どこかに置き忘れた歌が見つかる

なおまだ心の目をみはる 夏みかんのなかに小さき祖母が居て涼しいからここへおいでと言へり(小島ゆかり) 青磁社シリーズ・牧水賞の歌人たち『小島ゆかり』代表歌三〇〇首・大松達知選 『折からの雨』25首より ついきのうは、木枯 小島ゆかり「ここへおいで」どこかに置き忘れた歌が見つかる

小島ゆかり「<行先ボタン>」女性の人生に忍び寄る魔と代償

家庭に帰る われにまだできることもうできぬこと<行先ボタン>ひとつだけ押す(小島ゆかり) 青磁社シリーズ・牧水賞の歌人たち『小島ゆかり』代表歌三〇〇首・大松達知選 『希望』40首より たしかに、「できること」が失われて、 小島ゆかり「<行先ボタン>」女性の人生に忍び寄る魔と代償

小島ゆかり「もう似合はない」人一人のいのちがそよぐ音色

人生に反射して生まれる色 杳(とほ)い杳いかのゆふぐれのにほひしてもう似合はない菫色のスカーフ(小島ゆかり) 青磁社シリーズ・牧水賞の歌人たち『小島ゆかり』代表歌三〇〇首・大松達知選 『水陽炎』35首より 若いからだがあ 小島ゆかり「もう似合はない」人一人のいのちがそよぐ音色