森藍火「重病説流れゐるらし」<わたし>という噂の主と現実

喜んでいいのか悲しんでいいのか 重病説流れゐるらしスーパーのバナナの前に声かけられる(森藍火) 本阿弥書店『歌壇』2016.9月号「信号無視」より あっけにとられるとはこのことか。心配してもらっていたことに、喜んでいいの … 森藍火「重病説流れゐるらし」<わたし>という噂の主と現実

喜んでいいのか悲しんでいいのか 重病説流れゐるらしスーパーのバナナの前に声かけられる(森藍火) 本阿弥書店『歌壇』2016.9月号「信号無視」より あっけにとられるとはこのことか。心配してもらっていたことに、喜んでいいの … 森藍火「重病説流れゐるらし」<わたし>という噂の主と現実

1 投稿にうつくしき夏の雨詠みし青年「無職」となる職業欄(米川千嘉子) KADOKAWA『短歌』2015.7月号「夕波納戸」より たくさんのことを考えないではいられない。 「うつくしき夏の雨詠」めるからとて現実の人生には … 米川千嘉子の短歌/その選歌/現実に無力/されど知る愛の力

名を知らずして 紫の花咲かせずばその草の名も知らずしてこの世過ぎけむ(築地正子) 河出書房新社『【同時代】としての女性短歌』「路」より ただの雑草だから「紫の花咲かせず」なのか。「紫の花咲かせ」る遺伝子はあるのに「咲かせ … 築地正子「名も知らずして」「あはれいたはる」独自の行路

子の宿題は家全体を揺るがすように 一年生の「ザリガニをとる」宿題が一家の土日の予定を変える(大橋恵美子) 河出書房新社『【同時代】としての女性短歌』「ゆっくり疑問を」より 子の宿題が親の宿題にもなるらしい。 一年生では、 … 大橋恵美子「ザリガニをとる」宿題はむしろ親にドラマを生む

枇杷に濡れる手 悪に少しも遠くなけれど悪なさぬ手はやすやすと枇杷に濡れゐる(今野寿美) 河出書房新社『【同時代】としての女性短歌』「されば若夏」より 順番を逆にして読んでみる。 手が枇杷に濡れています その手は悪をなさな … 今野寿美「悪に少しも遠くなけれど」最高の文学作品として

世俗の中で その前に為さねばならぬ二つ三つ 明日は夜行で行かうと思ふ(岡本貞子) KADOKAWA『短歌』2015.7月号「夜の川」より 短歌というのは、そこに詠まれていることの、そのほとんどは、いたって単純なことなので … 岡本貞子「明日は夜行で」イレギュラーにあわてない大人の歌