高松秀明「花売るはさびしかるらし」悲運の人と泣いている詩

<わたし>が無力である哀切 花売るはさびしかるらしふるさとの花売る女(ひと)は頬かむりする(高松秀明) 角川書店『五十鈴響(いすずなり)』(道の駅 2)より 「花売る」とは、春をひさぐの符牒であろう。可憐な乙女がほんとう … 高松秀明「花売るはさびしかるらし」悲運の人と泣いている詩

<わたし>が無力である哀切 花売るはさびしかるらしふるさとの花売る女(ひと)は頬かむりする(高松秀明) 角川書店『五十鈴響(いすずなり)』(道の駅 2)より 「花売る」とは、春をひさぐの符牒であろう。可憐な乙女がほんとう … 高松秀明「花売るはさびしかるらし」悲運の人と泣いている詩

<今>を永遠のものにした短歌 満開のさくらのしたの老夫婦かたみに<今>を写しあひたり(春野りりん) 本阿弥書店『ここからが空』(さくらの落款)より 老いを残酷としか思えないことがある。端的に言えば、痴呆とか。そのような現 … 春野りりん「<今>を写しあひたり」短歌を人生の上位に置く

日常に無邪気な顔を見せること 六花書林『鶫』は、とことん私生活でしかない。 その私生活に、しかし、人は、人生的なテストを折々受けざるを得ないことが描かれていて、わたくし式守は、そこに、なにか敬虔なおもいを持った。 飽きる … 武藤雅治『鶫』人間の美質を求めるこころを途切らせない人生

短歌は内にいて外の広さを映せるのか 非常時に押し続ければ外部との会話ができます(おやすみ、外部)(鈴木晴香) 書肆侃侃房(新鋭短歌シリーズ)『夜にあやまってくれ』((おやすみ、外部)より) 「外部」に「おやすみ」と言った … 鈴木晴香「おやすみ、外部」短歌を始めた純粋なこころがある

短歌で観測できない空間が顕ちのぼる かかわりなき位置よりわれの背(せ)な冷ゆる無人の広場歩みゆくとき(糸川雅子) 砂子屋書房『糸川雅子歌集』/『水蛍』(内の傷)より 一読して、短歌だなあ、と思うのである。もちろん失望では … 糸川雅子「かかわりなき位置より」かかわりなきに隠れた詩が

短歌に世界が働きかけてくれるものが うすやみに丸椅子置かれ傷みたるミカンのようなわたしをのせる(古谷円) KADOKAWA『短歌』2018.8月号(スペイン語圏)より 要は、「丸椅子」にすわった、というそれだけの話なので … 古谷円「うすやみに丸椅子置かれ」まだ生きている価値がある