式守 操

岡山巖『遭遇』時空を超えて現代に届くそれは単純に激励の声

生きていることを告げてくれる短歌 假寢よりさめたる部屋にたましひの寄りてとまらむ枝さへもなし(岡山巖) 長谷川書房『遭遇』(心理のみだれ)より 相見ている以上の視線に感謝できる関係がある。たしかな体温をもったその視線は、 岡山巖『遭遇』時空を超えて現代に届くそれは単純に激励の声

長谷川銀作「用なき人に長居されてゐる」だから短歌が好きだ

何かこう料簡がお狭いとしか思えないが 黙つてもをられぬままに口をきき用なき人に長居されてゐる(長谷川銀作) 筑摩書房『現代短歌集』長谷川銀作集「寸土」より 人生とは、とまでは言わない。日々の暮らしは、自分に有意義な時間ば 長谷川銀作「用なき人に長居されてゐる」だから短歌が好きだ

NHK短歌佳作「枕」はこのように素直な工夫をしてみました

それは1秒の直観であったが 歯ブラシと同じ哲学やわらかい枕もあればかたいのもある(式守操) 小島なお・選:題詠「枕」より NHK短歌の佳作に、一首、採っていただきました。 バカ正直に明かすことはないが、わたくし式守、何週 NHK短歌佳作「枕」はこのように素直な工夫をしてみました

四賀光子「み山の杉をそのままに」<わたし>の心情の再現性

世界の点景に身を置く 雲濡るゝみ山の杉をそのままに庭木となして人は住まへる(四賀光子) 筑摩書房『現代短歌集』四賀光子集「朝月」(昭和十三年刊)より <「朝」は旧字です> 日常生活もどうしてどうして劇場舞台なのである。神 四賀光子「み山の杉をそのままに」<わたし>の心情の再現性

岡山たづ子「水仙のうすき緑を」敬愛すること限りなき智徳

どれだけ智徳の高さがおありなのだろう いちはやく芽をのぞかせし水仙のうすき緑を猫がかぎをり(岡山たづ子) 短歌新聞社『雪の香』岡山たづ子歌集「荒地に炎ゆ」抄(春のいのち)より 「水仙のうすき緑」は「猫」を生み出すのである 岡山たづ子「水仙のうすき緑を」敬愛すること限りなき智徳

鈴木晴香『夜にあやまってくれ』二人の愛を確かめ合う距離

計測できない距離が短歌に 誰かが一方の誰かに言っている、その気持ちを、詳しく説明していないのに感得できることがある。でも、その感得は、当たり外れで言えば、外れなこともある。外れでもいいのである。 (いや外れはやっぱりだめ 鈴木晴香『夜にあやまってくれ』二人の愛を確かめ合う距離