五十嵐順子「空に小さき皺も」生と死が張り合う天そして地

生と死とあくまで生の側にいて 空に小さき皺も残さず人逝きて拡声器の声新しき四月(五十嵐順子) ながらみ書房『連鎖』(母葬りたる視界)より 「人逝きて」に、「空に小さき皺も残さず」との表現は、わたくし式守の胸に、しみじみと … 五十嵐順子「空に小さき皺も」生と死が張り合う天そして地

生と死とあくまで生の側にいて 空に小さき皺も残さず人逝きて拡声器の声新しき四月(五十嵐順子) ながらみ書房『連鎖』(母葬りたる視界)より 「人逝きて」に、「空に小さき皺も残さず」との表現は、わたくし式守の胸に、しみじみと … 五十嵐順子「空に小さき皺も」生と死が張り合う天そして地

大根とセットの主婦のかっこよさ 大根を抜きて揺らして帰るとき息苦しかった昨日忘れる(古谷円) 本阿弥書店『百の手』(簡単な人)より どこをどう読んでも主婦であろう。主婦である、との直截な情報は、どこにもないが。 初句にた … 古谷円「大根を抜きて揺らして」大根というハードボイルド

小さな生活相の中で題材を探す 亡き母の肩の高さにやわらかく梅がひらくを見おろしており(式守操) 寺井龍哉・選:題詠「比」より NHK短歌の佳作に、題詠「比」で、一首、採っていただきました。 その題を、どのように表現してい … NHK短歌佳作「比」の完成に迷った2点はこう決着しました

短歌はこの人生を問う 書類袋持ちしまま会いに来し人がそれを抱きて帰りゆきたり(五十嵐順子) ながらみ書房『I miss you』(ルーペ)より これ、これ、こういうの。こういう短歌を、わたくし式守は、大好きなのである。 … 五十嵐順子「書類袋持ちしまま会いに来し人が」揺さぶる短歌

短歌にくるまれた素顔の偉大さ すさまじく生き凌ぎける四十年きみの素顔に涙したたる(坪野哲久) 不識書院『胡蝶夢』(白うつぎ)より 「すさまじく」の初句が、正に「すさまじ」い。 坪野哲久は、明治のお生まれである。 死体をま … 坪野哲久「きみの素顔に涙したたる」短歌の天質に加味する美

短歌は説明文ではないからである 冬物を出すたび一度はかぶりみる父の雪下ろし用目出し帽(五十嵐順子) ながらみ書房『Rain tree』(グレタ・ガルボみたい)より 短歌は説明文ではいけない。説明文では詩にならない。 その … 五十嵐順子「一度はかぶりみる」世界がそよぐは音色次第で