横山未来子『水をひらく手』その目と耳は時を見て時を聴ける

まずは鮮やかな香りを 木犀の今日新しき香を容るるからだかすかに浮き上がりたり(横山未来子) 短歌研究社『水をひらく手』(木目)より 鋭い嗅覚である。 「香」を起点に詠まれた短歌がどれだけあるだろう。 次の一首もまた。 截 … 横山未来子『水をひらく手』その目と耳は時を見て時を聴ける

まずは鮮やかな香りを 木犀の今日新しき香を容るるからだかすかに浮き上がりたり(横山未来子) 短歌研究社『水をひらく手』(木目)より 鋭い嗅覚である。 「香」を起点に詠まれた短歌がどれだけあるだろう。 次の一首もまた。 截 … 横山未来子『水をひらく手』その目と耳は時を見て時を聴ける

果報はまだ尽きていない 金網のひし形くぐりこれの世へ出でたるごとき顔するとかげ(梅内美華子) 短歌研究社『夏羽』(香ばしき)より 大きな波をのりこえてぽっかりと顔を出すと世界が違って見えることがある。そのようなことが人生 … 梅内美華子『夏羽』春を迎える安堵に夭(わか)き日の重さが

食べる場所が食べられた スプーンでプリンを食べたファミレスがロングアームで解体される(式守操) 佐伯裕子・選題詠「ファミレス」より NHK短歌の佳作に一首、採っていただきました。 かつては、ひらめいたことそのままの、たま … NHK短歌佳作「ファミレス」そのファミレスを食べてしまえ

「ユーモア」は難易度が高い 形から入る男が年末の書庫の整理に作業着を買う(式守操) 田村元・選題詠「ユーモアのある歌」より NHK短歌の佳作に一首、採っていただきました。 お題は「ユーモア」でした。才の足りないところに難 … NHK短歌佳作「ユーモアのある歌」戯画に敬意が伴う過程は

現代の人類 森の人オランウータン もともとはあんなさはやかな歩行であつた(永井陽子) 河出書房新社『モーツァルトの電話帳』(まみむめも)より 永井陽子において、人間に、このような感悟があったようだ。 現代の人類はこうは歩 … 永井陽子『モーツァルトの電話帳』人間でしかないことの抵抗

結局母が亡くなった時のことを 水引きの結びのようにもう二度とゆるめられない母の両の手(式守操) 大森静佳・選題詠「まだ・もう」より NHK短歌の佳作に一首、採っていただきました。 「まだ」とか「もう」にどのようなものがあ … NHK短歌佳作「まだ・もう」で完成まで焦らないことを学ぶ