式守 操

前川佐美雄「嬉しくて」原始よりの本能がその心情を理解する

今を狂気の如くに 今を狂気の如くに君が梅雨の夜をひき弾けばピアノ海より深し(前川佐美雄) 短歌新聞社『捜神』(野極(梅雨五十吟))より 同じ時空を生きて恋しくもこれを夢の如くとしておいでなのか。あるいは、伴に「海深」くあ 前川佐美雄「嬉しくて」原始よりの本能がその心情を理解する

NHK短歌佳作「眠り」さしあたり心得ているノウハウで短歌に

「眠り」の実景を描くことに 触れたならたちまち粉になりそうなうすい瞼が病にとじる(式守操) 大森静佳・選題詠「眠り」より MHK短歌佳作に、一首、採っていただきました。 たとえば、あくまで便宜的な例として、「眠り」を描く NHK短歌佳作「眠り」さしあたり心得ているノウハウで短歌に

前川佐美雄「見よ」現代も戦後も安寧をやさしく包む夕ぐれが

いつの時代でも ゆふぐれの雲くれなゐに染むを見よ未来は一つふた分れせず(前川佐美雄) 短歌新聞社『捜神』(野極(きさらぎの空))より 昭和二十六年の作品。この国が「戦後」と呼ばれる時代にあった短歌である。 この短歌が、戦 前川佐美雄「見よ」現代も戦後も安寧をやさしく包む夕ぐれが

飯田彩乃「透明なストレート」この人生に慕わしい短歌を得た

少年の妙と美 信号が青になるまで少年が投げ込む透明なストレート(飯田彩乃) 第二十七回(2016年)歌壇賞「微笑みに似る」より 「信号が青になるまで」たとえばグランドに、この光景を、<わたし>が見ていたものなのか。 ある 飯田彩乃「透明なストレート」この人生に慕わしい短歌を得た

米川千嘉子「いかなる傷も吾になし」言葉の裏にある自己批判

少女へのまなざし 拒食症の少女は透くる草といふ草風なかに語れるものを(米川千嘉子) 河出書房新社『一夏』(藤の曇天)より 拒食症とつながりを持たない人にこれがどれだけ賢明なあり方か、この一首で、米川千嘉子に絶大な敬意を捧 米川千嘉子「いかなる傷も吾になし」言葉の裏にある自己批判