春野りりん「月のこころ」短歌の容積が大きくなる時間の堆積

音 着信の音づれを待つ良夜なり水脈曳きわたる月のこころに(春野りりん) 本阿弥書店『歌壇』2016.1月号「月天心」より まわりを見渡せば、このような「良夜」が、この世界にはあるのである。 「音づれ」の「音」は携帯か。夫 … 春野りりん「月のこころ」短歌の容積が大きくなる時間の堆積

音 着信の音づれを待つ良夜なり水脈曳きわたる月のこころに(春野りりん) 本阿弥書店『歌壇』2016.1月号「月天心」より まわりを見渡せば、このような「良夜」が、この世界にはあるのである。 「音づれ」の「音」は携帯か。夫 … 春野りりん「月のこころ」短歌の容積が大きくなる時間の堆積

写生として軽い 三階の窓に眺むる雪解の道一すぢに人の続けり(知らない人) 角川書店『短歌を作るこころ』佐藤佐太郎「作歌上の注意」より 佐藤佐太郎の著書より引いた一首である。 「おちいりやすい欠点」の例として、佐藤佐太郎は … 「三階の窓」の知らない人と「汽車」の斎藤茂吉の驚きの差

1 20代後半だった。東京の私鉄の某駅で降りるときに、ホームから乗り込む人は、わたしと姿形が同じだった。お互いに驚愕の顔を見せ合った。そっくりだったことはたしかだが、もはや同一人物だったのかどうか、そこまで観察するゆとり … 短歌は抑圧されたドッペルゲンガーの<わたし>を生み出すか

孤独 忽ちに遁(のが)しし幸よ用のなくなりしリキュールグラスを磨く(大西民子) 短歌新聞社『石の舟』大西民子歌集「まぼろしの椅子」抄(寂しき電話)より 夫が去ってしまったようだ。 「リキュールグラス」に、それも、「リキュ … 大西民子『石の船』木蓮の花一輪を辛く悲しい人生に拾うこと

人生の余白/青年 新聞を立ちて読みゐる青年と鳩と爽やかにありてかかはらず(岡山たづ子) 短歌新聞社『雪の香』「一直進」抄(飾窓)より その光景が頭に心地よく打ち込まれることがある。 この「青年」に「新聞」も「鳩」も、欠く … 岡山たづ子「吊橋の揺るる上にて」人生の余白に大きな存在が

何の「降」でいくべきか 降る雨に打たれて耐える詩があるを思い出しても時給変わらず(式守操) 佐佐木定綱・選題詠「降」より NHK短歌佳作秀歌に、一首、採っていただきました。 「降」と言えば、わたし … NHK短歌佳作秀歌「降」一語で2つを映し出してみたいのだが