中畑智江の短歌/短歌内の構成を整理して幾通りも読んでみる

1 中畑智江の『同じ白さで雪は降りくる』は、いかにもおもしろい歌集だった。難解な短歌はなかった。なかったが、いくらか、一つの読み方に着地しない短歌があって、こう考えるとこうなるが、こう考えればこうなると、わたしは、そのい … 中畑智江の短歌/短歌内の構成を整理して幾通りも読んでみる

1 中畑智江の『同じ白さで雪は降りくる』は、いかにもおもしろい歌集だった。難解な短歌はなかった。なかったが、いくらか、一つの読み方に着地しない短歌があって、こう考えるとこうなるが、こう考えればこうなると、わたしは、そのい … 中畑智江の短歌/短歌内の構成を整理して幾通りも読んでみる

「われもまた」の「また」 われもまた群れたる鰯 夕暮れのハチ公前の交差点ゆく(森山良太) ぶどうの木出版『西天流離』(AUTO REVERSE)より <わたし>は一人でいられなかった。 ハチ公前とは、ここに恵みでもあるの … 森山良太『西天流離』群れたる鰯/雨に咲きたる緋寒桜の花は

決意 星おちてさやかなる音聞きし夜のわれはひそかに鎖骨を守る(中畑智江) 書肆侃侃房『同じ白さで雪は降りくる』(ナナメノキ)より 星おちて どこかに「星おちて」ではあるまい。今ここに流星を見た。流星と言っても、それは、泣 … 中畑智江『同じ白さで雪は降りくる』人生に雪の白さが新しく

あのころ花が見えてなかつた ドアノブの形から呼び出す記憶 あのころ花が見えてなかつた(高島裕) 邑書林 セレクション歌人『高島裕集』「東京山河」(Ⅲ(2003.1-11) 旧居再訪)より このドアは、かつてここに住んでい … 高島裕「あのころ花が見えてなかつた」内省を日常の風景に

1 親しい人に自死されたことがある。たくさんのことを語り合った。と思っていた。そう思っていたのは、わたしだけだったのか。わたしはしばらく放心していた。徐々に怒りで全身の血が煮えたものだったが。 2 また、やはり親しかった … 短歌は死への接近があるのか/一ノ関忠人の魂を搏つ真実の歌

しゃがみゆく秋のビル 淡く淡く日はありながら見ていたりゆっくりしゃがみゆく秋のビル(吉野裕之) 邑書林 セレクション歌人『吉野裕之集』歌集「ざわめく卵」抄(ふかく刺し交う)より <正しくは「𠮷野裕之」です> 建っていたの … 吉野裕之「しゃがみゆく秋のビル」この世界に貴重なゲームを