式守 操

本多真弓の短歌より/働く/やっとこの記事を書く気になれて

1 AIにやつてもらへば一秒もかからぬ作業 一日かけて(本多真弓) 中央公論新社『うたわない女はいない 働く三十六歌仙』(まだ産める)より 2 『うたわない女はいない 働く三十六歌仙』は、どの歌人のどの連作もおもしろく読 本多真弓の短歌より/働く/やっとこの記事を書く気になれて

白瀧まゆみ「いられない」何を詠むかよりそれをいかに詠むか

カプチーノの泡 なんぼ下品といわわれてもカプチーノの泡を嘗め尽くさずにはいられない(白瀧まゆみ) 本阿弥書店『歌壇』2016.8月号「いられない」より と、詠んで、<わたし>は、ほんとうに「カプチーノの泡を嘗め尽く」して 白瀧まゆみ「いられない」何を詠むかよりそれをいかに詠むか

柳原恵津子の短歌より/父と娘のたった五分を永遠の歌にする

1 「してないかね、 けんかは?」息を吐ききって父は訊ねた五分の会いで(柳原恵津子) 左右社『水張田の季節』(冬樹の枝)より 2 父に娘が受けた感情は、とうてい言葉に尽し難い。夫婦げんかをしてないか、との娘への問いと思わ 柳原恵津子の短歌より/父と娘のたった五分を永遠の歌にする

短歌でそれはなぜ「ひかる」/鈴木美紀子『金魚を逃がす』

ひかる/夜空に どうしてもわたしの指のとどかない背中の留め金 夜空にひかる(鈴木美紀子) コールサック社『金魚を逃がす』(何番目の月)より 留め金を留めてくれる人は、ご自宅にいなかったらしい。その留め金ははずれたままの背 短歌でそれはなぜ「ひかる」/鈴木美紀子『金魚を逃がす』

浜田康敬の短歌より/いかに生きるか/それをいかに詠むか

1 わが指を噛みしギヤーに注油する痛む傷口温めながら(浜田康敬) 第7回(1961年)角川短歌賞「成人通知」より 一読して、こう思うのだ。この一首の、この調べは何。この低音は何、と。このような仕事ゆえにこのような目に遭っ 浜田康敬の短歌より/いかに生きるか/それをいかに詠むか