高松秀明「死にとなりしてすわる」短歌は祈りのための発明品

その短歌の<わたし>を時を超えて愛しむ 新しき世紀ちかづく一日を死にとなりしてすわる礎石に(高松秀明) 角川書店『五十鈴響(いすずなり)』(一 滋賀山寺・近江の宮居)より 淡々とした調べである。が、一読して読み捨てられ … 高松秀明「死にとなりしてすわる」短歌は祈りのための発明品
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その短歌の<わたし>を時を超えて愛しむ 新しき世紀ちかづく一日を死にとなりしてすわる礎石に(高松秀明) 角川書店『五十鈴響(いすずなり)』(一 滋賀山寺・近江の宮居)より 淡々とした調べである。が、一読して読み捨てられ … 高松秀明「死にとなりしてすわる」短歌は祈りのための発明品
ころがる石を詩として拾う 夕暮れに子らが蹴りたる石けりの石わが影のなかをころがる(糸川雅子) 砂子屋書房『糸川雅子歌集』/『水蛍』(日記)より たとえば、歩道を歩いていて、誰かが足でちょっとどかした空き缶がころがる音がき … 糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを
<わたし>が無力である哀切 花売るはさびしかるらしふるさとの花売る女(ひと)は頬かむりする(高松秀明) 角川書店『五十鈴響(いすずなり)』(道の駅 2)より 「花売る」とは、春をひさぐの符牒であろう。可憐な乙女がほんとう … 高松秀明「花売るはさびしかるらし」悲運の人と泣いている詩