香山ゆき江

おすすめの一首

香山ゆき江「何処はげまし生きゆかむ」それは同時に歌の姿勢

何処はげまし生きゆかむ身のほどの何処はげまし生きゆかむ老いの支度も馬鹿にはならず(香山ゆき江)ながらみ書房『水も匂はぬ』(浅黄の空)よりこの一首の懊悩を理解できる。共感することができる。ここでは深く踏み込まないが、この一首の作者の香山ゆき江...
おすすめの一首

糸川雅子「石けりの石わが影のなかを」ありのままのすがたを

ころがる石を詩として拾う夕暮れに子らが蹴りたる石けりの石わが影のなかをころがる(糸川雅子)砂子屋書房『糸川雅子歌集』/『水蛍』(日記)よりたとえば、歩道を歩いていて、誰かが足でちょっとどかした空き缶がころがる音がきこえる。すると、空き缶がわ...
コラム

千葉聡氏の時評「歌人を続ける、歌人をやめる」について

1『「詩客」短歌時評』というブログがある。その短歌時評の155回は、「歌人を続ける、歌人をやめる」とのタイトルで、歌人をやめようと思っている大学生歌人の話が載せられていた。(2020.05.06)著者は、千葉聡氏である。ネットでフォロワーを...
おすすめの一首

香山ゆき江「悲鳴をあぐる」一字一音が声をあげて泣いている

短歌はそこにある人生を共有できるいづくかに傷をかくしてゐるやうに研磨の石の悲鳴をあぐる(香山ゆき江)ながらみ書房『水も匂はぬ』(石けづる音)より短歌の話だけでもなかろうが、比喩は、思いがけないものを思いついた、その思いがけなさの指数を競い合...
おすすめの歌集

香山ゆき江『水も匂はぬ』はかなくも誰かを愛する歓びがある

身の不平が動機ではない詩情この国は、悲劇を容認しない。悲劇も神の思し召し。そのような概念を、この国の歴史は、西洋から輸入しなかった。そこで、日本人は、悲劇に、精神的な美を探すことにした。すると、そこに、虚飾の出現が伴ってしまったのである。身...