小紋潤「夕焼けの向かうにいつか」失望がない世界はあるのか

前方の夕焼け 草の茂る小道を通り夕焼けの向かうにいつかゆかうと思ふ(小紋潤) 本阿弥書店『歌壇』2017.8月号『蜜の大地』(ながらみ書房)<第14回筑紫歌壇賞>小島ゆかり抄出より 前方に夕焼けを見るくらいいくらだってあ … 小紋潤「夕焼けの向かうにいつか」失望がない世界はあるのか
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前方の夕焼け 草の茂る小道を通り夕焼けの向かうにいつかゆかうと思ふ(小紋潤) 本阿弥書店『歌壇』2017.8月号『蜜の大地』(ながらみ書房)<第14回筑紫歌壇賞>小島ゆかり抄出より 前方に夕焼けを見るくらいいくらだってあ … 小紋潤「夕焼けの向かうにいつか」失望がない世界はあるのか
1 反意語を持たないもののあかるさに満ちて時計は音たてており(大滝和子) この一首の「反意語を持たないもの」を、わたくし式守は、どうしても女性としか読めない。つまり、女性の「あかるさに満ちて」時は進んでいる、と。 よって … 大滝和子の短歌/男女は互いに反意語である/時間の単位は月
大滝和子にわたしはこれが衝撃だった 12歳、夏、殴られる、人類の歴史のように生理はじまる(大滝和子) 東京堂出版『現代短歌の鑑賞事典』馬場あき子【監修】大滝和子・<秀歌選>(『人類のヴァイオリン』平12)より この『人類 … 大滝和子「殴られる」「生理はじまる」人生に飲み込まれない
なおまだ心の目をみはる 夏みかんのなかに小さき祖母が居て涼しいからここへおいでと言へり(小島ゆかり) 青磁社シリーズ・牧水賞の歌人たち『小島ゆかり』代表歌三〇〇首・大松達知選 『折からの雨』25首より ついきのうは、木枯 … 小島ゆかり「ここへおいで」どこかに置き忘れた歌が見つかる
家庭に帰る われにまだできることもうできぬこと<行先ボタン>ひとつだけ押す(小島ゆかり) 青磁社シリーズ・牧水賞の歌人たち『小島ゆかり』代表歌三〇〇首・大松達知選 『希望』40首より たしかに、「できること」が失われて、 … 小島ゆかり「<行先ボタン>」女性の人生に忍び寄る魔と代償
人生に反射して生まれる色 杳(とほ)い杳いかのゆふぐれのにほひしてもう似合はない菫色のスカーフ(小島ゆかり) 青磁社シリーズ・牧水賞の歌人たち『小島ゆかり』代表歌三〇〇首・大松達知選 『水陽炎』35首より 若いからだがあ … 小島ゆかり「もう似合はない」人一人のいのちがそよぐ音色