服部真里子

コラム

短歌の前に/原罪とイエスをめぐる天才二人パウロとニーチェ

短歌において、最近、筆者は、新約聖書を下敷きにしたものに傾斜するところがある。難病に遭って、余命が突き付けられてみると、こうもなるらしい。が、正式なキリスト教徒ではない。ないが、少しは(少しであるが)積極的に勉強してもいて、今回は、そのあた...
コラム

奇蹟より尊く/服部真里子の短歌/王の王の金の砂/金印とは

1聖書を読むと、イエス・キリストは、その活動の初期に、多くの奇蹟(しるし)を行った。たとえば、パンを5千人に分け与えたそうな。そんな超常現象、いかがわしいカルト組織じゃあるまいし、と思っても責められないだろう。霊的体験として信じてもいいが、...
おすすめの一首

服部真里子「酸漿(ほおずき)」と「コピー用紙」的と光

標的とは酸漿(ほおずき)のひとつひとつを指さしてあれはともし火 すべて標的(服部真里子)本阿弥書店『行け広野へと』(あれはともし火)より酸漿と言えば、お盆に欠かせないものである。墓や仏壇が赤く色づく。死者の霊を導くためである。ちょっと戸惑う...
コラム

わからない短歌?/服部真里子「水仙と盗聴」/今さらまた?

1わたしが短歌を始めた頃の、今でも印象に残っている話題が、服部真里子の「水仙と盗聴」だった。水仙と盗聴、わたしが傾くとわたしを巡るわずかなる水(服部真里子)2当時の“評”をここに並べる煩は避けるが、わたくし式守の頭の中に、「水仙と盗聴」は、...
おすすめの歌集

服部真里子『行け広野へと』最も価値ある瞬間を表現する手法

たとえばクリスマスはこう詠まれた樅の木の線対象のいくつかを収めた冬のカメラを磨く(服部真里子)本阿弥書店『行け広野へと』(冬のカメラ)より「樅の木」を「冬のカメラ」が。ああ、これは、クリスマス会の記念写真か。クリスマス会で盛り上がっている人...
おすすめの一首

服部真里子「触れたら狂ってしまう王冠」罪深くかなしいこと

キリストと<わたし>キリストが湖(うみ)ゆく場面読みながら口つけている冷たいコーラ(服部真里子)本阿弥書店『歌壇』2017.12月号「マクベスの正気」よりこの湖(うみ)はガリラヤ湖だろうか。読んでいるのは、福音書のいずれか、と思われるが、ど...