NHK短歌佳作「カレー」薬でもあることをいかに表現すべきか

カレーは好物だが

片頭痛またかと昼に十辛で食べるカレーのわが痛み止め(式守操)

笹公人・選
題詠「カレー」より

NHK短歌の佳作に、一首、採っていただきました。

カレーは辛口が好きである。
が、十辛くらいにしないと満足できない、というまでの辛党ではない。

だが、片頭痛になると、わざわざカレーを十辛にして、痛みを痛みで和らげようとしていた頃が、かつてのわたしにあった。

辛いとは味ではなくて痛みですよね

神経刺激としての辛味の核心は舌・口腔のバニロイド受容体(カプサイシン受容体)で感じる痛覚

『ウィキペディア(Wikipedia)』
辛味

さあこれをどう表現したらよいやら

頭痛持ちだった。鎮痛剤を手放せなかった。

で、頭痛は和らいだのか。
そうでもなかった。食べている時は頭痛が多少は紛れたかな、という程度で、ふりかえってみると、愚かしくなる。

今回も、短歌を始めて、初の採用を目指している人の参考に、歌作過程のレポートを

カレーは薬ですから

NHK短歌佳作「カレー」薬でもあることをいかに表現すべきか

大食いの芸人さんたちが、テレビで、「カレーは飲み物ですから」と言っているのを聞くことがある。
おかしい。
たしかにわたしにも、そんな感じはある。

が、わたしに、カレーは、片頭痛の薬でもあった、というわけだ。

この趣旨に短歌で抒情を生みたいのであるが

心情の流れ

やっと昼になった

十辛のカレーを食べよう

頭が痛くてかなわない

おお、この流れを逆にして、それを短歌にしてみよう

完成へ

(完成)

片頭痛またかと昼に十辛で食べるカレーのわが痛み止め

今回、わりとすんなり完成しちゃいました。

でも、いいのか、こんなスタイルで

ただ一気に詠んでみただけ、ってなっていないか

いい、と判断する

つるっと説明しただけの気がしたが、気持ちを、一首にちゃんとこめている、ということで

片頭痛に、ああ、まただ

昼はカレーにする

十辛にして食う!

そして、仲間へ

チェックリスト

・ただただAはBであるに徹したスタイルはあっていい

・このAがどんなAかで一首をほとんど埋め尽くしていい

カレー=痛み止め

そう、ただこれだけ。


今回のレポートは以上です。
短歌を投稿していて、もうあきらめかけている人の参考になれば幸いです。
いっしょにいい作品を世に出せるようにがんばりましょうね。

NHK短歌佳作「カレー」薬でもあることをいかに表現すべきか

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