NHK短歌佳作「ソファ(リビング)」生命の根源を表現する

ソファってすごいんだ

出生の秘密のようにきかされたこれがあなたのできたソファよ(式守操)

佐伯裕子・選
題詠「ソファ(リビング)」より

NHK短歌の佳作に一首、採っていただきました。

お題は「ソファ」である、と。
ソファってすごいのよ、ぬぁんてただそれだけの歌なんですが。

あ、いや、ほんとにすごいって思いまして。

何が?

今回も、短歌を始めて、初の採用を目指している人の参考に、歌作過程のレポートを

ソファは生命の根源である

下ネタではないのである。

ソファが届いて、そこでいたしたら子ができた、と。
それも二組いる。

すごくね?

ソファって生命の根源だなあ。

かんたんにできちゃうんだな?

違います。
望んでいたのになかなか子ができなかった背景がありました。

やっぱり始めはうまくいかない

NHK短歌佳作「ソファ(リビング)」生命の根源を表現したい

(草稿)

ホニャララの彼とのために取り寄せたソファでおなかにこどもがいます

これじゃだめなのだ。

単純に詩じゃないからだめ。
避妊しろよ、ってな話っぽい。

生命の根源なの? ってなるような表現をしたいのよね~

もっと自分にできる表現

NHK短歌佳作「ソファ(リビング)」生命の根源を表現したい

いかにも生命の根源に及ぶような、格調高い表現は、今回は、あきらめる。

格調高くなど、わたしにはハードルが高いのである。
お題が「ソファ」であろうとなかろうと、である。

もっと今の自分でもできる表現をしよう。

要は、その生命は、ここでできたのだ、と。
そんな加減で。

ありていに言えば、ここで「やった」から、と。

やった、とか何だとか、でも、下ネタではない

で、そんなんであれば、「ソファ」の題に、生命の源がある表現に少しは接近できるんじゃないか。

(決定)

出生の秘密のようにきかされたこれがあなたのできたソファよ

推敲/もっと微調整

次のような検討をしています。
ああでもない、こうでもない、との。

そこに母親を想起させたい

第一案

出生の秘密のように母が言うあれはあなたのできたソファと

「母が」としないでも、終助詞を「よ」にすれば、「母」は想起されようか。

母の感慨も添えられそう

第二案(=決定)

出生の秘密のようにきかされたこれがあなたのできたソファよ

「あれは」よりも「これが」の方が、ソファのすぐ近くにいて、母の感慨も想起されよう。

ふりかえって/そして、仲間へ

チェックリスト

・自分が短歌にしやすいイメージを探る。

・されど主題は守り抜く。

・例によって構造は単純で足りる。

パパとママはむかし
ここでセックスしました

そう、読者にまずさしだすのは、要は、そういうこと。
(が、しつこいようだが下ネタではない)


以上。
歌を投稿していて、もうあきらめかけている人の参考になれば幸いです。

いっしょにいい作品を世に出せるようにがんばりましょうね。

NHK短歌佳作「ソファ(リビング)」生命の根源を表現したい

リンク