
目 次
食べる場所が食べられた
スプーンでプリンを食べたファミレスがロングアームで解体される(式守操)
佐伯裕子・選
題詠「ファミレス」より
NHK短歌の佳作に一首、採っていただきました。
かつては、ひらめいたことそのままの、たまたまいい出来だったのが採られるのを待つことしかできませんでした。
今も似たようなもんですけどね~
で、今回のこの一首は、そのひらめいたことそのままの方
だとしても……、
今回も、短歌を始めて、初の採用を目指している人の参考に、歌作過程のレポートを
ファミレスで✕→ファミレスを〇
わたしは、見てしまいました。
ファミレスが解体されている。
子のない夫婦で元旦に行っていたファミレスだったのに。
ファミレスは、そこで何かを食べる筈のものが、これでは、ファミレスが食べられてしまっているではないか。
さびしいなあ
これをそのまま歌にしてみたらいいんじゃないか
アクションとしては同じようなもの
このファミレスは、スプーンでプリンを食べた子が、これまでたくさんいただろう。
風呂上がりのOLもいたかも知れないが。

ファミレス全体を重機が解体するとは、アクション自体は、子がスプーンでプリンを食べているのとさして差はないな、なんて印象を持ったものです。
スプーンが工事車両になっただけじゃん

プリンがファミレスになっちゃった
(完成)
スプーンでプリンを食べたファミレスがロングアームで解体される
ふりかえって/そして、仲間へ
たしかにひらめいたことがそのまんま。
でも、何らかの工夫がまったくないわけではありませんでした。
「ロングアーム」は、元は、「工事車両」だった。
並べてみたい。
(草稿)
スプーンでプリンを食べたファミレスが工事車両で解体される
(完成)
スプーンでプリンを食べたファミレスがロングアームで解体される
腕をイメージしてもらいたい語彙を、カタカナにした方が、上下が整序するかな、と。
以上。
短歌を投稿していて、もうあきらめかけている人の参考になれば幸いです。
いっしょにいい作品を世に出せるようにがんばりましょうね。
