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わたしの大好きな歌集『ここからが空』(本阿弥書店)の作者・春野りりんさんに、当サイトを紹介していただきました。
春野さんが目にとめてくださって、ご自身のnoteに、そのことを載せてくださいました。
ありがとうございました。
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今までにない切り口の評で、私自身にも『ここからが空』が、これまでとは違うように見えてきました。
式守さんの評を拝読し、歌集をこの世に送り出してよかったと、満ち足りた心地になりました。
まず安堵しました。
こんな卑屈な言い方はわたしの美意識を損なうのですが、事実として、わたしあたりでは、その歌集をかえって安い物件にしてしまわないか、わたしは、いつだってそれをおそれているのです。
でも、わたしは、自分の愛した歌集を、どうしてももっとこの世に伝えてみたい。
わたしがその歌集をどんなに愛したか、そこで、その表現もしてみたい。
気持ちを抑えかねる。
それを、あのようにおっしゃっていただければ、愛を告げてよかった、と。
なお……、
言語は、言及したものを的確に拾い上げると同時に、選び取らなかったものを鋭く切り捨てる力をもっています。
人間の創った言語のこの特性は、有限な知覚や思考力をもつ人間らしさの表れであるように思われます。
同意です。
裨益されます。
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わたしは、当サイトをたちあげるにあたって、名の知られていない投稿歌人が論陣を張る以上は、そのスタイルをいかなるものにするか、考えに考え抜きました。
スタイルとは、その字義通り文体。
他の人とは違うスタイルで、商いで言うところの差別化を図りたい。
もうひとつ。
短歌を始めてすぐの人が、式守操のようにさして採用されない投稿歌人でも、短歌に関わることはどうやらたのしいことらしい、それが伝わりやすいスタイルにしたい。
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世間に出るといろんな人がいます。
ご本人は、あたりまえのふるまいが、周りの人は、内心で、何だかピントがすれていないか、あるいはチューニングが合っていないのではないか、となることがある。
わたしはどうもそのような風采らしく……。
それがためにすでにもういい中高年が、今も、人の目と人の口を気にしてばかりいる。
だったらそれを逆用してみようか。
そのようなムードのスタイルにしてみよう。そのようにたのしさを伝えてみよう。
愛した歌人と歌集をそのように紹介するスタイルがあったていいのではないか、と。
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春野りりんさんご本人の「紹介」では、ほんとうにびっくりしました。
春野さんほどの方の、ほんとうにご本人のお声なのか、しばらくは、現実感がなかったことを打ち明けておきます。
わたくし式守は、これは卑屈になってではなく、採用されない投稿歌人である、と。ありていに言えば、それは、みじめさがあるのですが……。
そんなのどうだってよくなりました。
一言、ほこらしかった。
春野さんに、これは、ご窮屈にさせるだけかも知れませんが、ほんとうのほんとうにありがとうございました。
短歌における、わたしにしかできない方法で、これからも何かを発信していきたいと存じます。
春野さんにおかれましては、どうぞますますよき作品を。
わたしは春野りりんさんの歌がほんとうに好きです。
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