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歌人の大辻隆弘さんが、『日本農業新聞』に連載の「おはよう!今日の名歌と名句」に、拙著『色えんぴつを』から一首、載せてくださいました。
<正しくは「大述隆弘」です>
軽トラが こぼして去った空き缶を つつむ軍手に微糖がしみる(式守 操)
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作者は定年後、清掃作業員として働いている。自分の手で町が美しくなる。そんな仕事にやりがいを感じているのだろう。
軽トラの荷台から空き缶が一つこぼれ落ちた。「微糖」と書かれた缶コーヒーの空き缶である。それを丁寧に拾い上げる。
軍手にこぼれたコーヒー液が沁みこんでくる。冷たく粘つく感触に耐えながら、ひとつひとつそれを集める作者。(大辻隆弘)
『日本農業新聞』
25.04.11
「おはよう!今日の名歌と名句」
より引用いたしました
3
ありがとうございます。
まず拙作を引いてくださったことで。
(歌集を出してこれがうれしくない筈がない)
それと、
「清掃作業員として働いている。自分の手で町が美しくなる。そんな仕事」と理解していただいたこと。
これには、拙作がメディアに載っただの何だのを超えて感動を覚えられました。
わたくし式守にそのような心情があっての作歌であること。同業者に光が当てられたこと。
心から、まこと心から感謝いたします。
4
なお、
要らざる情報ですが、歌集の構成ではそこに踏み込みませんでしたが、定年を迎えてではなく、人生上の都合で定年前に清掃作業員へ転身しました。
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歌集の出版をしたことに自分自身で価値を置けました。
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