木曽陽子「わが街に白き館の」見え得ていなかった美の認識を

それはあった 八月の音なき日なれどわが街に白き館の立ちあらわれつ(木曽陽子) 本阿弥書店『歌壇』2016.10月号「獏の見る夢」より 八月。音なき日。白き館。 八月なのに「音なき日」である。音なき日なのに「白き館」なので … 木曽陽子「わが街に白き館の」見え得ていなかった美の認識を
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それはあった 八月の音なき日なれどわが街に白き館の立ちあらわれつ(木曽陽子) 本阿弥書店『歌壇』2016.10月号「獏の見る夢」より 八月。音なき日。白き館。 八月なのに「音なき日」である。音なき日なのに「白き館」なので … 木曽陽子「わが街に白き館の」見え得ていなかった美の認識を
籤運 吉野山いつなら桜満開か籤運弱きが行く日を決めん(能田美千子) 本阿弥書店『歌壇』2016.7月号「うおのめ」より くじ運の悪い<わたし>は、桜が満開になる前に、あるいは名残りの花を見るために吉野山に立つかもしれない … 能田美千子「籤運」「おのれを責めつつ」まねできない眩しさ
庭の木/簡潔の妙 推敲に耽りて見やる庭の木々剪り込まれたる簡潔の妙(山下雅子) 本阿弥書店『歌壇』2017.5月号「声」より 人生のこれが最後の一日までたいせつにしたい一首だ。 歌作中だったのか。ああでもない、こうでもな … 山下雅子「簡潔の妙」自分の歌よ/モチベーションを維持せよ
ただ髪を切るのではない 「雨ですねエ」のひと声ののちほぐれゆくひとの心をしばしあずかる(井川京子) 第28回(1982年)角川短歌賞「こころの壺」より 言われてみれば、であった。 井川京子の連作「こころの壺」を順に読むと … 井川京子の短歌より/職業詠の魅力/その仕事は価値がある
カラスは歩くこともある トントンと羽を広げて跳ね進むカラスにもある無心の時間(細溝洋子) 本阿弥書店『歌壇』2015.10月号「鳩とカラス」より マンションの清掃作業に従事しているが、カラスという鳥類は、まったく迷惑な存 … 細溝洋子「カラスにもある無心の時間」の「にも」に知る働き
糸のようなもの 潮騒が引くとき身体の内部より抜かれる糸のようなものあり(立花開) 本阿弥書店『歌壇』2016.9月号「千年強く」より この「糸のようなもの」のことはよくわかる。もっとも「糸のようなもの」との認識ではなかっ … 立花開「糸のようなもの」との表現を可能にさせる差はどこか
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