吉野鉦二『時間空間』そうか永遠に眠るのはまだ先だったのだ

微妙な年齢だった60という歳 老いというほどの老いではないが、もはや完全に若いと言えなくなったことを痛感している。先の7月、わたしは、還暦を迎えた。で、この60なる年齢であるが、最近、何とも微妙な年齢だと思うことが少なく … 吉野鉦二『時間空間』そうか永遠に眠るのはまだ先だったのだ
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微妙な年齢だった60という歳 老いというほどの老いではないが、もはや完全に若いと言えなくなったことを痛感している。先の7月、わたしは、還暦を迎えた。で、この60なる年齢であるが、最近、何とも微妙な年齢だと思うことが少なく … 吉野鉦二『時間空間』そうか永遠に眠るのはまだ先だったのだ
ひかる/夜空に どうしてもわたしの指のとどかない背中の留め金 夜空にひかる(鈴木美紀子) コールサック社『金魚を逃がす』(何番目の月)より 留め金を留めてくれる人は、ご自宅にいなかったらしい。その留め金ははずれたままの背 … 短歌でそれはなぜ「ひかる」/鈴木美紀子『金魚を逃がす』
サンダルとウインナー 生きているだけでふたたび夏は来て抜け殻に似た棚のサンダル(柳原恵津子) 左右社『水張田の季節』(花に額ずく)より 「生きているだけで」と。微量の焦燥がうかがえる。<わたし>は、その「生きている」こと … 柳原恵津子『水張田の季節』新鮮な感度を失わない人生がある
短歌を退屈にしない金魚 病室の花瓶の水を替えるとき金魚を逃してしまった気がして(鈴木美紀子) コールサック社『金魚を逃がす』(金魚を逃がす)より 「病室の花瓶の水を替える」場面で、<わたし>は、金魚を惜しんでおいでなので … 鈴木美紀子『金魚を逃がす』どうする/そして人生にしおり紐
たとえばクリスマスはこう詠まれた 樅の木の線対象のいくつかを収めた冬のカメラを磨く(服部真里子) 本阿弥書店『行け広野へと』(冬のカメラ)より 「樅の木」を「冬のカメラ」が。ああ、これは、クリスマス会の記念写真か。 クリ … 服部真里子『行け広野へと』最も価値ある瞬間を表現する手法
「われもまた」の「また」 われもまた群れたる鰯 夕暮れのハチ公前の交差点ゆく(森山良太) ぶどうの木出版『西天流離』(AUTO REVERSE)より <わたし>は一人でいられなかった。 ハチ公前とは、ここに恵みでもあるの … 森山良太『西天流離』群れたる鰯/雨に咲きたる緋寒桜の花は
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